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「バグワン・マハビールスワミ・ジェイン寺院」訪問記

藤井律之

レストランの近くで敷居が低い

 恐らく日本で唯一のジャイナ教寺院であろうバグワン・マハビールスワミ・ジェイン寺院は神戸北野の異人館街の中にあり、三宮からバスで簡単に行くことが出来ます。

 不殺生を旨とするジャイナ教ですが、すぐ近くにはフランス料理かイタリア料理のレストランがあり、また、いきなり寺院があるという感じで、同じく北野にあるモスクやユダヤ教寺院にどことなく威圧感があるのとは違って、親しみやすく思われました(なお、モスクやユダヤ教寺院が拝観可能かどうかは不明です。恐らく拝観できないのではないでしょうか)。

神戸在住ジャイナの礼拝堂

 寺院のパンフレットによりますと、起工が1984年、落成が1985年で、結構新しい寺院です。神戸在住の信者の方がお金を出し合って建立したそうです。教義において定住が認められていないことから考えれば当然といえば当然ですが、ジャイナの僧侶はおらず、寺院というよりも神戸在住のジャイナ教信者の礼拝堂として機能しています。

 信者以外、すなわち我々が拝観できる日曜、祝日の午後には日本人の方が一人、留守番のようなことをされておられます。その方の話によりますと、信者の方たちはもっぱら、平日、及び日曜の午前に礼拝をされるとのことですが、私が拝観に行ったとき、信者の方が一人礼拝しておられたので、礼拝は曜日とは余り関係がないのかもしれません。

再び訪れたくなる不思議な聖域

 さて、寺院には一階と二階、及び地下がありますが、祭壇があるのは二階です(ただ、祭壇があるというより、祭壇しかない、という感じなのですが。また、一階には写真や賽銭箱以外、取り立てて何もなく、地下には入ることが出来ません)。

 中では香がたかれ、寺院について説明するテープが流れています。マハビールスワミの名の通り、祭られているのはマハーヴィーラで、銀色の肌に冠という少し派手ないでたちですが、その脇に虫をつぶさないための羽箒があり、あらためてジャイナ教寺院であることを認識させられます。なお、祭壇や像に触れること、及び写真撮影は出来ませんので念のため。

  一階には取り立てて何もないとは書きましたが、先に述べた留守番らしき方がおられ、また、教義が簡単に記された日本語のパンフレットもあり、持ち帰ることが可能ですが、(恐らく日本人向けの)賽銭箱が隣にありますので、一応(ジャイナに習って)喜捨すべきでしょう。

 外見の荘厳さからは予想のつかない、祭壇と祖師像程度しかない非常に簡素な寺院なのですが、何故か再び訪れたくなる不思議な聖域です。是非一度訪ねられてみてはいかがでしょうか。


神戸ジャイナ寺院

拝観時間は、日曜・祝日の12:00〜16:00。
寺院内の喫煙、飲食及び写真撮影は不可、また、女性の方は、月の障りがある場合拝観できません。