朝起きたときから、なにか釈然としない気分だった。外は晴れているのに、心にはどんより雲がかかっている。自分が嫌だった。今日やらねばならないことはたまっているし、やらないといけないということもわかっているけれど、身体が動かない。気づくとため息ばかりついていた。
要するに、自分に自信がないのですよ。自信が。なにをやっても、自分の思い描く理想のレベルに達することができない。逆に、周りのひとの達成していることは、途方もなくすごく思える。でも、なにをどうしたら、自分を変えることができるのかもよくわからない。
それに、それなりに何かをこなしたとしても、今さら若い頃のように誰も褒めてはくれない。褒めてくれるのは自分だけ! だからこそ、その己の自信が崩れたときには、どうしようもない虚しさと脱力感に襲われるのだ。ああ、こわい、こういう朝は。
怪我をした人間のように、おそるおそる動き始める。急いで動くと、残っているわずかな動力源を落っことしてしまいそうな気がする。気持ちを完全に地面に落としてしまったら重傷だ。三秒ルールで急いで拾っても、自分はごまかせない。(P56)
住吉美紀『自分へのごほうび 』幻冬舎





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