電化された人間
電線を繰り出しながら惑星を探検している人間の想像図。未来の宇宙旅行を想定している科学者によって提唱されたものである。
心臓の鼓動、体温や呼吸の調節は、正常の状態では脳が行うが、この場合、電極やその他の付属品が、脳髄に皮ってそれらの肉体のはたらきを調節する。脳の中の快感中枢にはめこまれた電極は、宇宙旅行のさい退屈な時間をすごす助けとなるだろう。
これはサイボーグ(サイバネティック・オーガニズム)と呼ばれ、近い将来かならず実現するにちがいない。アメリカの宇宙局ではサイボーグを実現化するために現在真剣に取り組んでいる。「ライフ/人間と科学シリーズ 心のはたらき 1973」
軽やかなステップで惑星を闊歩するサイボーグの図。彼の右手は電線に、左手は推進用ロケットに占拠されており、探検中に遭遇した興味深い現象を調査することはできない。しかし、快感中枢にはめこまれた電極により昼夜をとわずランナーズ・ハイにあるため、彼は自らに課せられた本来の任務は何だったかを思いだせず、いまでも惑星上を無限に放浪しているという。
しかし、その代償に釣りあう産物がえられたとアメリカ宇宙局は説明する。彼がこれまで宇宙空間に繰りだし続けた電線が、「ポアンカレ予想」を実証するかもしれないというのだ。
自分自身も知らない重要な任務を肩に背負いつつ、彼はあの軽やかなステップで走りつづける。





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