自然界および金融の世界における様々な成長モデルを知り、現代社会の病的なまでの経済成長への強制力の原因を知ったとき、私は、怒りに打ちふるえました。
私は、私の四〇年あまりの人生の間、日常を支える基本前提の一つ、つまり貨幣システムの機能を全く知らなかったのです。
至る所で、見知らぬ人も、知人達も、同僚達も、専門家達も、貨幣システムについて、かつての私と同じように無知であることを経験し、私は、お金について、読書し、議論し、そして書き始めました。
このテーマは、専門家とみなされる人達だけに任せておくにはあまりに重要すぎます。公に議論され、大勢の人に理解される必要があるのです。(P62)(マルグリット・ケネディ)
- 1971年、ニクソン大統領がドルを金本位制から切りはなす→お金の価値をお金で計るようになる→モノとお金の関係が消えていく
- イギリスのサッチャー首相の金融規制緩和政策→レーガン大統領が支持→マネーゲームが拡大
- グローバルな貨幣市場の情報化、コンピュータリゼーション→資金運用を加速化
...日本の本位金貨も1987年5月31日限りで流通停止になり、名実ともに管理通貨制度の世の中になった。(金本位制 『ウィキペディア(Wikipedia)』)
...「利が利を生む」金融工学的手法は、1980年代後半から、90年代にかけて、ヘッジファンドやデリバティヴ(金融派生商品)の出現に至って極点に達した。」(内橋克人)(P4)
...これらが一体となって現在の金融システムの問題をつくりだしたのです。その破局は、もしかしたら1930年代の世界恐慌よりひどいかもしれません(*)。
30年代は欧米に限定されたもので、その他の地域での影響はそれほど大きくなかったからです。私たちは世界規模のシステムをつくりあげてしまい、それが問題なのです。(P251)(ベルナール・リエター)
(*)リエターは2000年の時点で今回の世界的大不況をかなり明確に予測していたことになる。ほかにもエマニュエル トッド をはじめ世界中のインテリたちが同様の予測を立てていたにもかかわらず、なぜ未然に防止することができなかったのか。
金融商品を売りさばくセールスマンらが、「なんとかなるさ」「Yes We Can!」とアメリカ的オプティミズムをここぞとばかりに発揮したせいではないのか。
人間の思いこみを変えるのは、経済システムを変えることより困難だということであろう。
『エンデの遺言 根源からお金を問うこと 』 2000 NHK出版





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