山下:あるコードにあるモードがあてはまるよっていう言い方するけど、あれは後付け?
大谷:後付けですね。モードの理論て、いまだにないんで、コードネームで書くとこうなりなすよ、っていうだけなんです。つながりがないと理論にならないじゃないですか。モードがどう進行していくかっていうモード進行っていう考え方がない。もともとそれをナシにしようっていう発想だったんで。使える音っていうのは事後的に採譜してとっちゃうことはあるけど...
坂本:じゃあさ、最初にモードをしたときの、確信ていうのかな、驚きとか悦びっていうのは何だったんだろうね。コードとっぱらっちゃった悦びなのかな。
大谷:たぶんマイルスがまず、演奏が長くできるという(笑)。
山下:何を言ってる!(笑)。
大谷:終わらせなくてすむっていう...(坂本:ああ、マイルスだからね)
山下:音楽になんないでしょう。退屈しちゃうから。
大谷:いやあ、たぶんファンク・ミュージックとおなじようなかんじで...
山下:ああ、そうか。連中ドライブ感あるから。それでか。
大谷:(So Whatのリフを歌って)これ一小節だけで一時間できますよね。その上で自分の感情デザインして自分で勝手にやれるよっていう。
坂本:じゃあ晩年でファンクっぽくなってきたのもワケあるんだね。
大谷:要するにミニマルになっていって...
坂本:ヒップホップだな。ほぼ。
大谷:ヒップホップになっていって、ドラムとベースのコンビネーション、ていうかリズムのほうをもっと複雑にしてくれよ、ということにして、自分はポーンといこうよと。で、やるだけでカッコイイという。
山下:マイルスのその感覚が天才的なのか。
坂本:そう。一発でね。パララー♪って。(笑)
大谷:パーッとやって、あと空けといてもカッコイイっていうのが、たぶんピッタリきてたんじゃないかと。(笑)
坂本:おしゃれなヤツ(笑)。
大谷:あとはオマエらぜんぶ埋めてくれっていう(笑)。
山下:ねー、うまいよね。
大谷:そこをコルトレーンが「じゃあ全部うめてやる」(笑)ってやってるあいだにどんどん宇宙にむかって...





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