...私にも3歳下の弟がいる。ヨノナカの姉と弟との関係は、私の知っている限り、このパターンしかない。...
わたしも含め、"メチャクチャな姉"を持つ弟はどうなっているのか?
私の弟は、大型ゴミのテレビやステレオを友だちと何台も運んできては、
「これを部品500円で直した」
とか、
「これとこれをつなげて発明した」
とかが、小学生の頃からの趣味だ。私なんかてんでバカにして、すぐ新しいのがほしくなる。なのに弟は、「新品はお金を出せば誰でも買える」と、まったく興味がない。背が小さい弟を、昔からよくからかったが、
「世の中には不幸な人がいっぱいいる。そんなこと、なんでもない」
と全然ケンカにならない。
...とにかく、恐るべき正反対の者が同じ家に暮らしている。お互いのやっていることには全く興味がなく、全くの異次元を作って生活している。
しかし、これはうまくできたものだと思う。いちばん小さな"社会"の単位は家族だから。その小さな中で、血のつながりはあれど、異次元同士がブッキングされている。
これは親の仕業ではなく、何か"目に見えない自然の法則"が生まれる前からあって......と大げさに考えてしまう。基本的な人類の共存と進化のためにとか。
姉弟は、お互いの中に自分を見ている。電流の回り方が逆なのを、小さい頃から意識するので、かえって自分のことがはっきりわかる。同じ回り方じゃ、気づかないからね。どんなメチャクチャな女たちも、弟たちの目には、メチャクチャには映っていないのだ。...
中尊寺ゆつこ『ヨノナカ関係論 』P51 朝日新聞社 1992





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