スィングしてくる弾き方
坂本:...パーカーまで来ました。
山下:あとはその落とし子たちですよね。
「アイ・ゴット・リズム」(ハンプトン・ホーズ)
山下:これも衝撃的だったな。気持ちよかった...
坂本:たとえば16分でタタタタッっていうのがあったらその裏ってタッタータッターというふうにぜんぶ西洋音楽とちがって裏側が強調されてるじゃないですか。アクセントついてるじゃないですか。それは最初からできました?
山下:それはね、正確にどの音符も裏が強調されてるかっていうとそうでもないんですよね。頭にアクセントがあるフレーズもいくらもあるんです。それはね、ちょっと、正確にはわからない(笑)。どういうふうにしているのか、わかりませんね。
坂本:自然にみについちゃって。なるほど。
山下:だからはじめてジャズのフレーズを弾く生徒には、付点で弾いたり、三連で弾いたりしろ、といわれるだろうが、それはダメだと言ってます。ふつうの八分音符で弾きなさいと。そして、何かの拍子でそれがうまいぐあいにスィングしてくる弾き方があるんですよ。
よくクラシックの人にイーブンの八分音符わたしといて、ジャズだからそこは付点で弾くんだよとか、三連の中抜きだよとかいいますけどね。それはクラシックの人にたいしては、そう言わなければ音はでないかもしれないけれど、ジャズを学ぶ人にたいして最初からそう弾けとはぼくはいわないですね。むしろイーブンで弾いてかまわない。そのときにちょっとその、たとえばリズムセクションといっしょにやってるんだから、そこの音符がすこしどっちか伸びたり縮んだりとか、自然に自分が付け加えていくことによってジャズになる、はずだというんですけどね。
坂本:ぼくもハネては聞こえないですよね。
山下:でしょ?タカタカタカでしょ?
坂本:タカタカタカ...だけど時々でてくるアクセントね、タタンタン、ンタッ!っていうそこがやっぱりジャズらしいんで、一個一個はハネてるとはぜんぜん思わない。
大谷:音価自体はレガートでパタパタパタっていくんですけどアクセントが...
坂本:アクセントがくるときに人間の本能として、アクセントの前っていうのはちょっとたまるんで、そこは正確にいったらちょっとハネてるかもしれない。アクセントの前でダン!といくときに、ためがあるでしょ、少し。それは現象的にはハネてるけど。
大谷:ハンプトン・ホーズをすごいコピーされたと聞いてるんですけれども。このアルバムですか?
山下:ええ、このアルバムの他の曲もいろいろ...。循環曲でしょ? 典型的な...
大谷:リズム・チェンジという...
山下:タラリロリロリロ、ティラリロティラリロなんだな、と(笑)。それをじゃ、E♭の曲でそういうの出てきたらそれも使えるな、と。つまりそれを十二のキーでやってしまうという、いまの勉強のしかたに自分でたどりついたんですね。
坂本:自分でもじゃあ、移調してやってたんですか?
山下:そうですね。移調して他の曲でも同じ関係のコード進行が出てくれば、しめたとばかりに使う。それでそのタラリロリロリロをタラリロロリラリにしてもいいんだなとか、タッタリラリラでもいいんだなとか、ウンティラリラでもいいんだなとか、いろんな応用をしたんですね。
坂本:インヴェンションぽいですね。(笑)いま歌ったのはね。





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