あっ、お星さんが釣れたよ。とうちゃん、海にもお星さまがおるん?
おるよ。夜になったら、流れ星がいくつもいくつも降るやろ。空のお星さんがくたびれて、海にねんねしに行きよるんよ。
くたびれとるけ、海のお星さんはぐにゃぐにゃしとるんやね。
あっ、またお星さんや。海のお星さん、とうちゃんに釣ってもろて、お空にかえりたいて思うちょるんやろか。
とうちゃん、オレ学校に行かんでええんか?
船がおまえの学校やないか。海がおまえの先生や。とうちゃんも、じいちゃんも、ひいじいちゃんも、船で生まれて、海で働いてきたんや。
オレ、おちこぼれ人間にならんやろか。
おちこぼれでええやないか。自分の足で立って、自分の価値観で生きることや。とうちゃんだって、内海の物流を縁の下で支えとるちゅう誇りを持っちょるど。
トラックの時代やないんか?
ガソリン食うて、騒音排ガスまきちらして、トラックのどこがええんじゃ。いまに見ちょれ。無公害天然エネルギーの、とうちゃんの快速帆船が注目を浴びる日がくるちゃ。
船長! 海洋汚染防止のため、本船のトイレも改造せんといけんねぇ。
むかしは魚が口をあけて待っちょったもんやがのう。
トーナス・カボチャラダムス『空想観光カボチャドキヤ 』河出書房新社





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