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極北、イヌイット以前に「巨人」いた

毛髪で伝説裏づけ
極北地域に最初に移住した人種は、現代のイヌイット(エスキモー)などと異なることがわかった。コペンハーゲン大などの研究チームがグリーンランドの遺跡から見つかった毛髪のDNAを調べた。イヌイットの間には大昔、先に住んでいた巨人を祖先が追い出したとの伝説があり、これと符合する。米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。

グリーンランドやアラスカの極北地域には約4千年前までには東アジアから人類が移住していたことが確認されている。これまでは極北に住んだ最初の人類がイヌイットの祖先だと考えられてきたが、現代のイヌイットにつながる、鯨を食べる文化が起こったのは約千年前で、矛盾があった。

研究チームは、グリーンランドの約3千年前の居住地跡から見つかった凍結した人の毛髪から母方の祖先をたどれるミトコンドリアDNAを調べた。その結果、遺伝子は現代のイヌイットやアメリカ先住民とは異なり、シベリアやベーリング海峡の周辺の住民と似通っていた。

イヌイットの間には「極北地域にはツニートと呼ばれる心の優しい巨人が住んでいた。だが我々の祖先を見たら、目から血を流して逃げた」という伝説がある。国立民族学博物館の岸上伸啓教授は「アジアからの移住が数回起こり、先住民を駆逐することで文化ががらりと変わったのではないか」と話している。

朝日新聞 2008.6.3

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