公共広告機構2006年の支援キャンペーン。「白血病に、負けない。負けさせない」。ヴィジュアルは本田美奈子さんのラスト・コンサート上の姿です。入院中リハビリの行き帰りに廊下でこのポスターをよく見かけました。
みなさんはどうかわかりませんが、わたしはこのコピーにたいへんな違和感をかんじるのです。広告機構側の説明は以下のとおりでした。
ドナー登録を増やす。それは骨髄バンクの発足以来、ずっと変わらない一番大切な課題です。しかし、未だに目標の30万人には達していません。ひとりでも多くの人を救うには、一日でも早く目標をクリアしなければいけない。そこで、今まで以上に強い事実と強いコピーが必要だと思いました
意図そのものはまったく異論なしですが、なぜ本田美奈子さんなのでしょう? 彼女は不幸にもドナーさんが見つからず、最終的に臍帯血移植をおこないましたが、闘病の果てに亡くなりました。彼女は白血病に負けたのでしょうか? 負けさせたのでしょうか?
もちろん、広告ターゲットは患者ではなく、健常者を対象としているのは明白です。こんなふうに感じるのは自分だけかと思い、母にたずねてみると、
「本田さんくらい立派に頑張っても、結局ダメだって思ってしまうんでねが。なして渡辺謙さんとか市川団十郎さんとかまだ生ぎでる人使わねんだべの。病気は勝ち負けでないんでねが。」
問題はこの「負けない」という広告表現に集約します。インパクトを追求せんがために、「負け」というキャッチーかつ競技的表現と、「白血病」そして故人である「本田美奈子」を組み合わせたところに違和感の原因があるのです。
入院中、そして退院したいまも、仲間がたくさん亡くなりました。わたしは彼らの笑顔をよく思い出します。彼らは負けたのではありません。自分の人生を英雄的に生き抜いたのです。彼らは末期まで逃げなかった。断じて敗者の群れではない。
自分でも何をいまさらこんな青臭いことを力説しているのかと思います。今朝がた同病の知り合いから「再入院した」とメールがあったせいかもしれない。
でもやはり叫びたい。「病老勝ち負けに非ず」と。





僕は、遠い昔一緒に遊んだnarajin君のブログを見て感銘したし、本田美奈子の事も好きだし(本当は河合奈保子だったけど。)骨髄バンクに登録します。2人から勇気はもらったよ。
ありがとう。ぼくの闘病仲間も退院後、骨髄バンクの説明員の仕事をはじめました。
病苦をこえて、生き抜くことが最高の人間広告になるんだと信じてやっていきますんでよろしく。