個室に移っていちばんうれしいのは、なんといっても「音を出せる」ということだ。
CD、iPod、テレビ、ラジオ、そのほか何でもかまわないが、ヘッドフォンを介さずとも音が聴けるというのは、たんにラクだということを通りこして、その場を自分化できるというか、縄張りがめいいっぱい広がるような開放感をもたらしてくれる。
大部屋暮らしというのはいってみればずっと素潜りしているというか、毎日息を止めて寝起きしているようなものである。いくらカーテンごしにではあってもヒトの気配というものはわかるもので、私の耳は隣人の息づかいや独り言、イビキまで正確に聴取する。それがいちいち観想生活のなかに土足で上がりこんできて、それまであたためていたあらゆる着想や思念を破壊していく。
イビキていどならまだよい。深夜に「あうぁーっ!」とか「ううう」だの、うなされている患者と隣り合わせにでもなろうものなら、気になるどころか金縛りにあったように震えあがってしまう。とても眠れるものではない。
こんなであるから、24時間、他人の気配のなかで生活するというのは、少なくとも私にはできない話である。とくに俗物たちや、のそのそした愚物のなかにあっては。キリスト教的人類愛も、ストア主義的諦念も、仏教的菩提心も、そのような本を読むたびに私はかくありたしと願ったものだったし、そのように生きる人を好ましいと思ってきた。しかし世間のなかにあっては、そのような高潔さもそっと遠くから拝んでいたにすぎないし、俗物どもはやはり私にとって俗物以外の何ものでもなかった。
はやく個室から大部屋にもどりたがる患者さんがいるという。これなど私にはとうてい理解できない感情である。人間が独りでいるときの豊かさ、安らかさを彼らは知らないのであろうか。いつも人中で生きてきたから、ひとりぼっちにされると不安でしょうがないのであろうか。おそらく後者であろうが、せっかく神があたえてくれたこの潤沢な時間を、みすみすドブに捨てるようなマネをしていることに気がつかないのであろうか。
Logicool MM50 Portable Speakers for ipod
いったい何を書いているのか自分でもわからなくなってきたので、本題に移ることにしましょう。今回紹介するポータブルスピーカーは、私が入院生活のお供として購入したものですが、あんまりよくできているので感心してしまいました。そのいくつかをリストにしてみると、
バッテリー内蔵で野外使用もOK
キャリングケース付
オーディオ入力端子付
iPodと本体の操作ができるリモコン付
iPodの充電もできる
PCとの接続もそのままでOK
電源オフ時に自動フェードアウト
音のバランスがいい
デザインがいい
といったところでしょうか。この値段でここまで作りこみがされているというのにも驚きますが、こんなにしっかりした音が、こんなに小さくて薄いハコから! というギャップがいちばんすごいところです。
このようなスモールスピーカーのばあい、リスナーとの距離がいちばん音質に影響しますので、できれば1m以内で(ニアフィールドリスニング)楽しんでほしいと思います。間違ってもフロアスピーカーと同じ感覚で相対してはだめです。





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