正倉院に保存された戸籍帳によると、今から約1,300年前の奈良時代、この柴又の地に「トラ(孔王部刀良--あなほべのとら)」という男と「サクラ(孔王部佐久良売)--あなほべのさくらめ」という女がいたそうです。なんたる偶然かと、ぼくは苦笑したものですが、今回寅さんと同じ帽子をかぶった珍しい埴輪が発掘され、顔つきがどことなく似ている上にその日は渥美清さんの命日だと知ったときは驚きました。
ぼくは霊魂などは信じない人間ですが、ここまで偶然が重なるとなにか不思議な気分にとらわれるのです。はるか昔、万葉の頃に生きていたトラさんという強烈な個性の持ち主が、ぼくに命じて寅さんを主人公にした映画を作らせたのかもしれませんね、もしかして!
山田洋次
写真:柴又八幡神社古墳--出土した8月4日は、奇しくも渥美清の命日だった





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